by
中野明
Language: Japanese
Release Date: May 17, 2014
本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第1話です。
全6話を1冊にした『ドラッカーが考えたこと──その生涯と著作』も電子書籍として提供しております。手っ取り早く全編読みたいという方には、こちらの書籍を読まれることをお勧めいたします。
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知の巨人ピーター・ドラッカー――。
ドラッカーの名を聞くと、多くの人は反射的にマネジメントという言葉を思い浮かべるに違いありません。確かにドラッカーは「マネジメントを発明した男」とさえ言われるほどですから、これもまた仕方のないことでしょう。
しかしながら、ドラッカーの約65年の著作活動を検討すると、単にドラッカー=マネジメントとする発想はあまりにも短絡的過ぎることが分かります。というのも、ドラッカーは当初からマネジメントを研究対象にしていたのではなく、異なる興味からやがてマネジメントに辿り着いた側面が強いからです。
では、ドラッカーは本来何に興味をもっていたのでしょうか。ドラッカーは自分自身を「観察者」であり「社会生態学者」であり「文筆家」と規定していました。
では、ほぼ96年の生涯を通して、社会生態の何を観察して記述したのでしょうか。そのエッセンスに迫ろうというのが本書です。本書を一読することで、ドラッカーの生涯、ドラッカーが世に問うた著作、さらに個々の著作でドラッカーが考えたこと、これらについてひとさらえに把握できるようにしました。
本書がドラッカーを理解するための一助となれば、筆者として幸いです。
【目次】
1-1...